無料で試す →
← 記事一覧

食事中の場面別 記録例文|傾眠・拒否・嘔吐・せき・服薬の書き方

食事の記録というと、むせや食べこぼしの例文はよく見かけます。でも実際に手が止まるのは、もう少し違う場面のことが多いのではないでしょうか。

食事中に急に眠ってしまったとき。口を開けてくれないとき。戻してしまったとき。むせているわけではないのにせきが続くとき。食前・食後の薬をどう記録に残すか迷うとき。本人が何かを言ったとき、表情が曇ったとき——。

どれも「何が起きたか」は見えているのに、それをどう言葉にして、どこまで書き、誰に伝えるかで迷いやすい場面です。このページは、そうした場面ごとに、そのまま使える記録の例文を集めたものです。

書くときの軸:事実・対応・報告

これらの場面は、むせや食べこぼしよりも「その後どう動いたか」が重要になることが多いです。書くときは次の3つを意識すると、記録が整理しやすくなります。

  1. 事実:何が、いつ、どの程度見られたか
  2. 対応:その場でどう対応したか
  3. 報告:看護師や他のスタッフ、必要であれば担当医への報告を検討したか

事実だけで止めると記録としては薄く、かといって原因を決めつけて書いてしまうと主観が混じります。「〜の様子が見られたため、〜と対応し、〜に報告した(または報告を検討した)」という型にあてはめると、事実と対応を分けたまま書き進められます。


場面別・記録の例文

傾眠・覚醒が悪い

  • 食事開始直後から傾眠が見られ、声かけで一時的に覚醒するものの、再び目を閉じる様子が続いた。
  • 覚醒状態が悪く、摂取が進まなかったため、無理に食事を続けず、時間を置いて再度提供することを検討した。
  • 普段と異なり傾眠が強い様子が見られたため、看護師へ報告し、内服薬の影響がないか確認を依頼した。

食事を拒否する・口を開けない

  • 配膳後も食事に手をつけられない様子が見られたため、献立を説明し、食事の時間であることを改めてお伝えした。
  • 口を開けられない場面が続いたため、無理強いはせず、時間をおいて再度お声かけした。
  • 普段は摂取できている方に拒否的な様子が見られたため、体調面の変化がないか看護師と情報を共有した。

嘔吐・戻してしまう

  • 食事中に嘔吐が見られたため、誤嚥を防ぐため速やかに体位を横向きに整え、口腔内を確認した。
  • 嘔吐後、しばらく様子を観察し、顔色・呼吸状態に変化がないことを確認したうえで看護師へ報告した。
  • 嘔吐があったため食事を中断し、本人の希望を確認のうえ、再開の可否を看護師に相談した。

せき込む(飲み込み時のむせとは別に)

  • 飲み込みとは関係のないタイミングでせきが続いた。むせとは様子が異なるため、経過を観察し看護師へ報告した。
  • 食事の前後にせきが見られたが、摂取中のむせ込みは見られなかった。普段との違いとして記録に残した。
  • せきが続き呼吸が乱れる様子が見られたため、一度食事を中断し、落ち着くまで様子を見た。

服薬(食前・食後の薬)

  • 食前薬を飲み込む際にむせが見られたため、服薬のタイミングを看護師に相談した。
  • 食後薬を食事と一緒に提供したところ、問題なく内服された。
  • 本人の希望で薬を食べ物に混ぜて提供したが、味の変化から薬が入っていることに気づき、残す様子が見られた。対応を看護師と検討した。

本人の訴え(言葉として表れたこと)

  • 「おいしくない」と本人から発言があった。味付けや温度に変化がないか厨房に確認した。
  • 「もう食べたくない」との発言があり、摂取量が普段より少なかった。無理に勧めず、時間を置いて再度お声かけした。
  • 「お腹がいっぱい」と本人が話され、主食を残された。体調に変化がないか、他の様子とあわせて観察した。

本人の言葉を記録するときは、聞こえた言葉をそのまま「」でくくって残すと、後から読んだ人にも状況が伝わりやすくなります。「不機嫌だった」のようにこちらの解釈だけでまとめてしまうと、何があったのかが読み手に伝わりにくくなります。

表情

  • 配膳された献立を見て、表情が曇る様子が見られた。好みに合わない献立だった可能性を申し送った。
  • 食事中、普段より険しい表情が見られたが、発言や摂取量に大きな変化はなかった。
  • 一口ごとに顔をしかめる様子が見られたため、味や温度、食感について確認した。

表情も「不機嫌そうだった」で終わらせず、「配膳を見て」「一口ごとに」のように、いつ・何のタイミングで見られたかを添えると、他のスタッフが状況を再現しやすい記録になります。


例文を「探す」のをやめたい方へ

ここまでの例文は、場面ごとに言い回しを変えて並べたものです。実際の記録では、目の前の方の様子に合わせて言葉を調整してお使いください。

こうした場面別の例文を毎回探すのが手間だと感じる方向けに、気づいたことにチェックを入れると記録文を自動で組み上げるツールも作っています。文体や長さも調整できるので、施設の記録の書き方に合わせやすくなっています。

※ このページの例文は無料でご自由にお使いいただけます。ツールは「毎回探すのが面倒」という方向けの選択肢です。

よくある質問

Q. 嘔吐や服薬の場面は、看護師への報告まで記録に書くべきですか?
報告した・報告を検討した、という事実自体は記録に残しておくと、後から経過を追いやすくなります。実際に報告が必要かどうかは、各施設の手順や担当医の指示に従ってください。

Q. 本人の発言はどこまで記録に残せばよいですか?
状況を判断するうえで重要だった発言は、聞こえたとおりに「」でくくって残すと、解釈と事実を分けて記録できます。発言のすべてを書き写す必要はありません。