夜間巡視のあと、記録欄に「良眠」とだけ書いて次の利用者さんに移る。忙しい時間帯ではそれが精一杯になることもあると思います。
ただ、翌朝これを読む人からすると、「良眠」の4文字だけでは、何時に見たのか、どんな様子だったのかが分かりません。かといって巡視のたびに長文を書く時間もない。このページは、短い時間で書ける範囲で、夜間の様子を「あとで役立つ記録」にするための例文と考え方をまとめたものです。
夜間の記録が薄くなりやすい理由
日中の記録と違い、夜間は次の3つの事情が重なります。
- 巡視の間隔が空くため、「その瞬間」しか見えない
- 人手が日中より少なく、1件あたりにかけられる時間が短い
- 利用者さんが眠っている時間が長く、「変化がない」ことを書く機会が多い
「変化がない」こと自体は悪いことではありません。問題は、それを毎回同じ1語(「良眠」「特変なし」)で済ませてしまい、何時の巡視だったか・どの程度の眠りだったかが後から分からなくなることです。
短時間でも具体性を上げる、1つのコツ
日中の記録と同じく、夜間も 「時間(またはタイミング)+様子+対応(あれば)」 の順で書くと、1文でも情報量が上がります。
- △ 良眠。
- ○ 1時巡視時、良眠。いびきなく呼吸も落ち着いていた。
- △ 不眠。
- ○ 3時頃に覚醒している声が聞かれ、室内を確認。再度臥床を促し、その後は入眠していた。
「変化なし」であっても、何時の時点で確認したことなのかを添えるだけで、夜勤の記録としての価値が変わります。
シーン別・夜間記録の例文
良眠(巡視時に落ち着いている)
- 0時・3時の巡視時、いずれも良眠。体動なし。
- 1時巡視時、良眠。いびきなく呼吸も落ち着いていた。
- 消灯後まもなく入眠され、朝まで覚醒する様子は見られなかった。
不眠・中途覚醒
- 2時頃に覚醒している様子があり、室内を確認。特に訴えはなく、再度臥床を促したところ入眠された。
- 夜間を通して浅い睡眠が続いている様子。巡視のたびに体動が見られた。
- 眠れない旨の訴えがあったため、しばらく側で様子を見た後、臥床を促した。
ウトウト・覚醒がはっきりしない
- 巡視時、ウトウトしている様子。声をかけると返答があり、覚醒は保たれていた。
- 半覚醒の状態が続いており、完全な入眠には至っていない様子だった。
いびき・呼吸の様子
- いびきが普段より大きく、一時的に呼吸が止まるような様子が見られたため、体位を調整した。
- 普段と変わらない程度のいびきで、呼吸のリズムも安定していた。
就寝前の水分・夕食後の様子
- 就寝前、促しに応じて水分摂取あり。むせなく摂取された。
- 夕食後から就寝までの間、傾眠がちで過ごされていた。消灯前に一度声をかけ、覚醒を確認した。
- 口渇の訴えがあり、就寝前に少量の水分を提供した。その後は入眠された。
夜間の体調変化(記録に残すべき場面)
- 夜間に発汗が多く見られたため、室温を調整し、水分摂取を促した。
- 咳が続く様子があり、しばらく様子を見た後、体位を整えた。翌日の日中スタッフへ申し送りを行った。
- 普段と違う様子(声のかすれ・顔色の変化など)が見られたため、巡視の間隔を短くして経過を見た。
書くときに気をつけたいこと
- 「良眠」をそのまま使い続けない。 同じ語を並べるより、巡視の時間や体動の有無を1点加えるだけで記録としての意味が増します。
- 夜間に気づいた変化は、翌日の担当者が読む前提で書く。 申し送りが別にある施設でも、記録自体にも経過が残っていると、後から振り返りやすくなります。
- 判断に迷う変化は、担当医に相談のうえで対応を記録する。 夜間は人手が限られるため、迷った場合の報告・相談の経緯も残しておくと、記録の説明力が上がります。
例文を「探す」のをやめたい方へ
ここまで読んで、「夜勤のたびにこのページを開くのも手間だな」と感じたかもしれません。
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よくある質問
Q. 「特変なし」をそのまま書いてもいいですか?
施設のルールに従う前提であれば問題ありませんが、何時の巡視でそう判断したかが分かるように、時間や巡視のタイミングを添えておくと、後から読んだときの情報量が増えます。
Q. 夜間に気になる変化があったとき、記録にどこまで書けばいいですか?
見たこと・行った対応・その後の様子までを書き、判断に迷う内容であれば、担当医や看護師への相談を検討し、その経緯も記録に残しておくことをおすすめします。